63. Hijacking a repair system
Published on Jul 06, 2020
Episode summary
改良型のCRISPR–Cas9によるゲノム編集ツールAFIDと変異パターンの予測について原著論文を紹介しました。
Starring
Shownotes
- Precise, predictable multi-nucleotide deletions in rice and wheat using APOBEC–Cas9, Nature Biotechnology 2020…今回はこの論文を紹介しました。APOBEC–Cas9 fusion-induced deletion systems (AFIDs)と呼ばれるゲノム編集技術です。
- Non-homologous end joining (NMEJ)…Cas9で誘導される二本鎖DNA切断が修復される仕組みの一つ。
- Researchat.fmで話した過去のCas9関連エピソード…これまでにep2、ep22、ep31などでCas9やゲノム編集について話しています。
- 31. Editing the unedited, Researchat.fm…PrimeEditingと呼ばれるゲノム編集技術について原著論文を解説しました。
- APOBEC3と病態:APOBEC3によるゲノム変異と発がん (Journal of Japanese Biochemical Society 88(5): 576-581 (2016))…今回の論文で使われているAPOBECについての詳しい日本語のレビュー論文です。
- Uracil-DNA Glycosylase (UNG)…Cas9のC末端に融合されたタンパク質の一つ。分子生物学の実験に使われたりしています。
- AP site (apurinic/apyrimidinic site) (Wikipedia)…核酸塩基が抜けた部位のこと。ウラシルはUDGによってAP siteになることが知られています。
- Base excision repair (BER) (Wikipedia)…DNA修復の重要なパスウェイの一つ。APOBECによって変換されたウラシルはこのパスウェイによって修復される。
- DNA Repair Profiling Reveals Nonrandom Outcomes at Cas9-Mediated Breaks. Molecular Cell, 2016…Cas9によって引き起こされる欠失変異のパターンはランダムではない、ということを始めて報告した論文。
- Predictable and precise template-free CRISPR editing of pathogenic variants. Nature, 2018…大量のゲノム編集アッセイによってゲノム編集のパターンを計測し、そこから機械学習モデルを作成することで、ゲノム編集パターンの予測に成功した最初の論文。
- Microhomology-mediated end-joining-dependent integration of donor DNA in cells and animals using TALENs and CRISPR/Cas9 … MMEJのpathwayを利用したゲノム編集
- 29歳独身中堅冒険者の日常 (マンガ)…今回紹介したcoelaのおすすめマンガ。
Editorial notes
- いい加減Tamakiさん紹介のマンガでも読むか… (soh)
- CRISPRシステムが受精直後の受精卵でも働く理由が気になっている。受精直後の卵でそもそもDNA修復経路が働いている理由とは…???(tadasu)
- マンガとかアニメのキャラより年齢が上になってきた…やはり悟空は偉大(coela)